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お湯と会話ができる⁉
温泉名人が教える「マイ温泉」の探し方

今回は、数千回もの温泉入浴歴を持つ当社執行役員の白石昌徳にインタビュー。社内きっての温泉通に、一生楽しめる「マイ温泉」の探し方や、心身を癒やす入浴のヒントについて語ってもらいました。個人の並々ならぬ情熱が、どのようにアイコニア・ホスピタリティの宿づくりへ生かされているのか。奥深い温泉の世界へご案内します。

【今回の語り手】

白石 昌徳 白石 昌徳

アイコニア・ホスピタリティ執行役員。ホテルや旅館の取得・再生・施設管理を統括。全国の宿の開発やリニューアルに携わる傍ら、自ら年間150回以上も温泉に足を運ぶスペシャリスト。その博識ぶりから、有名クイズ番組に知識の助っ人として出演した経歴も持つ。

お湯を味わう“ソムリエ”

記事のトップ画像に思わず目を奪われた方も多いのではないでしょうか。

温泉を背景に、蝶ネクタイにスーツ姿でビシッと決めた出で立ち。傾けたワイングラスに鋭い視線を向けるこの人物、いったい何者なのでしょう?

実は彼、当社アイコニア・ホスピタリティで執行役員を務める白石昌徳という人物。普段はホテルの経営や企画の舵取りを担う第一線の社員なのですが……ひとたび温泉を前にすると、見ての通り大真面目に自分の世界へ入り込んでしまうのです。このギャップこそが、白石という人間の面白さでもあります。

ワイングラスを手にしているのは、彼が温泉成分分析表をまるで高級ワインのラベルのように読み解き、湯の個性を隅々まで味わい尽くそうとする、いわば温泉のソムリエだからです。

ちなみに、多くの温泉は衛生面や法令の観点からそのまま飲むことはできませんし、実際の入浴時に蝶ネクタイやスーツを着用することもありません。この写真はあくまで白石の温泉愛やソムリエ風のキャラクターを表現するためのイメージカット。みなさんは真似しないでくださいね(笑)。

飲むことはできない代わりに、全身をセンサーのようにしてお湯と向き合うのが白石の流儀。たとえば、お湯を視覚でも余さず味わうためにメガネをかけたまま入浴するのも、彼のこだわりの一つです。

温泉名人に聞く「最高の温泉とは?」

白石の歩んできた道のりは、まさに「温泉のプロフェッショナル」そのもの。これまで数多くのホテルや旅館の企画に携わり、温泉を訪れた回数は累計で数千回に及ぶといいます。特筆すべきは、前職時代に記録していた年間150回以上という入浴数です。一年の半分近い日数、温泉に身を投じ、宿のポテンシャルをその肌で、プロの目で見極め続けました。

その確かな知識と経験の証ともいえるのが、日本温泉協会公認の「温泉名人」という称号です。温泉界で唯一の統合団体が認定する、民間では最も権威ある資格の一つ。白石はその記念すべき第1回試験の合格者であり、単なる愛好家を越えた温泉スペシャリストの先駆けともいえる存在なのです。

温泉を知り尽くした白石には「どこの温泉が一番ですか?」という質問が絶えません。しかし、名人は少し困ったような顔をしてこう答えます。

「『この世で一番おいしい料理は?』と聞かれるようなもので、お答えするのが実に難しいんです。その人の好みはもちろん、その時の体調や、誰と、どんなシチュエーションで行くかによって、求める心地よさは全く変わってきますから」

万人にとっての「一番」を探すのではなく、今の自分にとっての「最高の一湯」を探すこと。それこそが、一生楽しめる趣味としての温泉の醍醐味だと白石は言います。

「お湯が何かを語りかけてくる……」

数千回という入浴を重ねてきた白石自身も、長い年月をかけてようやく「自分にとっての正解」にたどり着いた一人です。若い頃は珍しい泉質を求めて全国を飛び回った彼が行き着いたのは、意外にも熱海や別府といった、日本人にとって身近な定番の温泉でした。

「結局、あのしょっぱい塩化物泉が一番。理屈抜きに肌にしっくり馴染む、母なる海のような安心感があるんです。数えきれないほど繰り返し浸かっているうちに、お湯と自分が一体化するような感覚になってきました。リラックスが極まると、お湯が何かを語りかけてくるような気がすることすらあって……変態だと思われるかもしれませんが(笑)」

そう語る白石の言葉には、数多の湯を肌で知る者だけが持つ実感がこもっています。世間の人気や知名度ではなく、自分の肌が一番喜ぶ「マイ温泉」を見つける。そんな自分だけの旅の目的を持つのも、素敵な温泉の楽しみ方ではないでしょうか。

「泉質オリエンテッド」という提案

肌や体への効能もさることながら、温泉旅行の最大の価値は心の疲れを癒やす点にある、と白石は語ります。

「ストレスを減らしたい、気分転換をしたい。そこに温泉は抜群の効果を発揮しますが、実はそのうちの7割が『転地効果』によるものなんだそうです」

転地効果とは、日常から離れた環境に身を置くことで得られる心身への良い影響のこと。せっかく日常を離れて心を癒やすのであれば、行き先を何となく決めるのは惜しい。そこで白石が推奨するのが、自分に合った泉質を探し求めて目的地を設定する「泉質オリエンテッド」な宿選びです。

知名度や手軽さだけで妥協せず、目的意識を持って自身の肌と心に合うお湯へ向かう。その主体的な選択こそが旅の非日常感を高め、転地効果をさらに引き出します。

こうした温泉旅行は、お客様にとって非常に貴重な機会でもあります。一人の人が一生のうちに温泉旅行へ行く回数は、決して多くありません。

「人生全体で見ても、せいぜい何十回という限られた機会ですよね。その貴重な1回は、お客様が大切なお金と時間を使って選んでくださったもの。だからこそ、絶対に裏切ることはできないんです」

ここまでは柔和だった白石の表情が、ふと真剣なものに変わりました。

お客様の「大切な1回」のために

お客様の人生の一部を預かっている――。そんな覚悟のもと、白石は現在も自ら全国のホテルや旅館へ足を運び、そこで得た気づきを自社の施設の改善へと生かし続けています。

その一つが、2026年5月30日にリブランドオープンする「亀の井ホテル 富士」(旧「エバーグリーン富士」)の大浴場新設です。宿泊体験を根本から向上させるため、ホテル全体の改装費用のうち大きな割合を大浴場新設に投資し、ゼロから温泉大浴場を作り上げました。

「温泉施設は旅の印象を決める最大の要素であり、宿泊動機に直結します。せっかく来ていただくなら、他のお客様に気兼ねすることなく、広々とした温泉で心からくつろいでいただきたい。建築費が高騰している状況下ですが、面積や設備を含め、宿の価値を左右する部分として絶対に妥協はできませんでした」

出張時でも必ず温泉付きのホテルを選ぶという白石の日常は、お客様の「大切な1回」をより良い体験にするための探求の日々でもあります。温泉を知り尽くした名人の情熱とこだわりを、私たちアイコニア・ホスピタリティはこれからも宿づくりへと反映し、お客様に心からくつろげるひとときをお届けしていきます。